vunqueのバッグを手に取ると、まず目に飛び込んでくるのは、シャープでミニマルな印象を与える「Razor」モチーフ。
これは単なる装飾ではなく、ブランドの中核をなすデザイン哲学の象徴です。

デザインに宿る剃刀の思考
vunqueが掲げる「Razor(カミソリ)」の存在は、14世紀の哲学「オッカムの剃刀」から着想を得ていますが、ここではその思想をデザインのかたちとして体現しています。
不要な要素を徹底的に排除し、必要な美と機能だけを残す。ライン、金具、シルエット──すべてにおいてなぜそれがあるのか”という明確な意図が込められており、目に見える美しさと目に見えない思考が静かに交差しています。
シンプルは完成された美学
vunqueのRazorディテールは、装飾を削いでいく“引き算”の中で、美しさと機能性を同時に成立させています。
メタリックな直線美、適度な重みのあるフォルム、そしてどのバッグにも自然に馴染む設計。視覚的インパクトを持ちながらも主張しすぎず、コーディネートの中にそっとエッジを添えます。
また、構造そのものも合理的で、ユーザーの動線に寄り添った設計は、使いやすさ=デザインであるというvunqueの哲学を如実に物語っています。
どこにでも溶け込む存在感
ブランド名の由来である「Ovunque(どこにでも)」の精神も、このデザインに息づいています。
vunqueのバッグは、オフィスでも旅先でも、都会でも自然の中でも、不思議なほどしっくりと馴染みます。それは、Razorに込められた「余白を生かす思想」が、持つ人のスタイルに寄り添い、引き立ててくれるからです。
機能と感性の交差点にあるvunque
vunqueが目指しているのは、流行に左右されない“長く愛される美”。
その実現のために、余計なものを加えない。飾らないことで、かえって強く、深く印象に残る──それが、カミソリのように研ぎ澄まされたvunqueのデザインです。